山々に囲まれた自然豊かな地方にお住まいの方の中には、先祖代々伝わる山を所有している方や、お手頃価格だったので山林を購入してしまった、といった方が少なからずいらっしゃると思います。実はこういった地方に住む山の所有者という特殊性を、存分に生かせる副業があります。それは「薪割り(薪の加工・販売)」です。
自分の所有する山に生えている広葉樹・針葉樹を自由に伐採、加工して薪を作り、それを販売する事で副収入を得るこの「薪割り」、何と言っても仕入れが無料、というアドバンテージがあることから副業ビジネスに適してる、という声をよく聞きます。今回はこの、副業としての「薪割り」について、その謎が多い実態に迫ってみたいと思います。
「薪割り」を副業で始める上で、絶対に必要な条件とは?
まず、「薪」の原料となる主な木の種類(樹種)に関してですが、広葉樹ですとスギ・アカマツ・ヒノキ等、針葉樹ですとクヌギ・サクラ・ケヤキ・ナラ等が該当します。こういった樹木が生えている山を所有している、その樹木を自由に伐採・利用出来る、これが「薪割り」を副業として始められる最低条件となります。
ただ、こういった山を所有していなくても、木材をタダでもらえるツテ・コネがある場合(近所からもらえる等)はもちろん、この「薪割り」業のスタートラインに立てます。とにかく、薪の原料を無料で仕入れる事が出来ること、これに尽きます。ここにコストがかかってしまうと、この副業で利益を出し続けるのはかなり難しくなってしまいます。
さて、この「薪」の需要ですが、現在でも年配の方を中心に多くのユーザーがいる薪ストーブの燃料として重宝されています。他にはレストランのピザ窯用、キャンプ場などで使う焚火用の薪、としても利用されています。「薪」はホームセンターで売っている事も多く、売値は一束500~1000円前後が相場です。
一方、副業で販売している方の場合、あくまで一例ですが、一束250~350円程で売り、しっかり利益も出せています。ホームセンターなどの売値より断然安く出来て、しかもビジネスとして成り立つ、これはまさに仕入れが無料だからこその強みです。
販売方法に関しては、その地域地域で様々ですが、定番はやはり「軽トラでの地回り販売」です。自分の自宅周辺に商圏を定めて、そこを軽トラで自ら営業して顧客を掴み、配達して回る、そんな方が多いようです。また、近年ではインターネットのオークションサイトやショップサイトを介した“直販”も可能となっています。
薪割りツールの進化が副業としての「薪割り」を可能に!
ただ、副業としての「薪割り」が気になる方の中には、「薪割りって体力的にめちゃくちゃ大変そう・・」と思い、尻込みしてしまう方もいるでしょう。たしかに一昔前までは、一本一本、斧で加工していましたので、時間や体力がかなり必要でした。しかし、現在では、電動薪割り機、ガソリン駆動式薪割り機を使用して、スピーディーにそしてスムーズに「薪割り作業」が出来るようになっています。
その為、「原木」から「薪」への加工は驚くほど短時間で済むようになっており、この点がまさに、本業を持つ者が副業として「薪割り」をこなせる大きな理由、となっているのです。山を所有していながらも、ほとんど放置してしまい、長年、宝の持ち腐れ状態になってしまっている方などは、この副業としての「薪割り」に一度挑戦してみるのも賢い選択かもしれません。