近年、日本におけるライフスタイルの変化や社会の超高齢化などといった背景から、一人暮らしの世帯、特に独居老人と言われる方達が増えつつあります。それは特に過疎化が進む地方などで顕著に見られ、解決すべき社会問題としてマスコミがクローズアップする、そんな機会も増えました。
そういった一人暮らしの方が亡くなってしまった時、その方が暮らしていた部屋に残された物品を整理し、引き取ったり廃棄したりする必要があります。これを「遺品整理」と呼びますが、通常は残された親族など、故人と近しかった者がこれを執り行います。ただ、様々な理由でそれが叶わない事もあります。そんな時、こういった作業を代行する仕事、それが「遺品整理代行」です。
「遺品整理代行」という仕事、その内容とは?
一人暮らしの増加、特に独居老人の増加は必然的に孤独死の増加という状況を生み出してしまいます。そのような社会的な変化は「遺品整理代行」という仕事のニーズを否が応でも高めますので、それに従い、この遺品整理代行を行う事業者はやはり増加傾向にあります。
当然ながら代行スタッフの募集も活発化しており、副業やアルバイトとしてこの仕事に携わる方も増えています。時給(平均1000円~1500円程)や日給(平均8000~10000円程)が比較的良い、という点もその傾向を生み出す一要因と言って良いでしょう。
仕事の内容としては、文字通り“遺品の整理”を行うのですが、ただただ物品を整理し、仕分けし、片付けていく、それだけではありません。顧客の希望があれば“形見分け”や“供養”なども代行して執り行います。また、膨大な数の写真や機密性の高い書類などを一枚一枚整理し、分別する、といった非常に細かい作業などもこなさなければならない事もあります。
この仕事に求められる基本的な心構え
そして、この仕事にとって何よりも大切な事、それは「人の心に寄り添いながら仕事をする」という姿勢です。遺品の一つ一つが故人の生きた証であり、たくさんの思い出が詰まったものです。それゆえ、作業の隅々に気を配り、心を込めて丁寧に物品を扱う、そんな心構えが必要となります。
また、基本的に、目立った汚れや異臭などを取り除く「特殊清掃」が済んでいる室内での整理作業とはなるのですが、場合によっては多少の汚れや室内の乱れの中、作業をしなくてはならない状況も考えられます。清掃が済んでいることから、衛生面では問題無い、そうは分かっていても心理的な抵抗感を感じて作業が出来ない、そんな方もいるようです。そういった意味では、あらかじめ自分に向いている仕事かどうか吟味し、適性をしっかりと把握した上で仕事に応募する、そんな姿勢も重要でしょう。
求人情報に関しては、「フロム・エーナビ」「indeed(インディード)」などの求人情報サイト、「タウンワーク」などのフリー求人情報誌などで見つける事が可能です。基本的に資格などは必要ありませんが、「遺品整理士」「遺品査定士」などの資格を持っていると採用時に有利になる事があります。